雨奇晴好

雑食オタクの徒然。感想やお叱りはこちらまで→amagawa.u@gmail.com

森の中で彷徨う

森ビヨから頭が離れない、苦しい日々が続きます。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は要所要所で気になったところの殴り書き。
例によって考察なんて大層なものではなく、勝手な解釈と妄想の垂れ流しです。


・現実では5歳下のヒマリが、夢の中では同い年だったこと

・浜田先輩のイケメンキャラ、ノゾミの気の強さなど登場人物のキャラクター性について

・ヒマリが引き止めた10分

・ヒマリヤンデレ妄想

・ヒマリは何故演劇部を選んだか

・ハピエン? バッド? メリバ?

・分岐したもう一つの終わり方に幸せはあるのか

・ヒカルとヒマリのその後





・現実では5歳下のヒマリが、夢の中では同い年だったこと
終盤のシーンでヒカルが「君にだけ年月が重なっていた」と名言しているので、夢の中のヒマリは最初から高2だったわけではなくて小6から高1の時もあった。(妄想と創作意欲がわきますねー)
そして同い年になってヒカルの夢に大きく干渉するようになった。
ヒマリの願いが強まったからか、ヒカルの危機感が強まったからか、夢が変化するキッカケが"同い年"だったと思われる。
そしてヒカルの夢は事故の一年前の翌日から事故日までを毎年ループしているという仮説が立てられる。
あるいは劇を決める日からブロック大会までが大体半年くらいだと思うので、一年に2周しているかも。
夢の中のヒマリが同い年でも少し幼く感じる口調だったのは、あくまでもヒカルの元の記憶に基づいて人物形成されているから。



・浜田先輩のイケメンキャラ、ノゾミの気の強さなど登場人物のキャラクター性について
今回この二人は新境地を開拓していると感じ(いっちゃんは初の男役、ゆはねはかなり気の強い役)私としてはどちらもとても好印象。
ただこの二人はその個性ゆえにリアルな高校生からは逸脱しているようにも捉えられる。
どちらかというと漫画に出てくるキャラクターっぽい性格だなと感じる。
まあ演劇部って変人の集まり(偏見)だし、個性的な設定も変に浮いていなかったから全然良いと思うんだけど、どうしてもリアルではなく演劇の中の登場人物に思えてしまうのは否めない。
ヒカルの夢の中だから本当の性格より誇張されている可能性を考慮しても、「演出の都合上」こういうキャラですよっていう印象は拭えないかも。
だからこそ二次創作したくなるんだけど。
つまるところは善し悪し。


・ヒカルの遅刻、ヒマリが引き止めた10分
集合時間に10分遅れたことが事故の原因だとヒカルもヒマリも思っている。
ヒカルは「自分が遅刻したせいで」ヒマリは「自分が引き止めたせいで」事故は起きたのだと。
果たして時間通りに出発したら事故は起きなかっただろうか。
「対向車線から車が突っ込んできて、崖から落ちた」事故が、10分の誤差で回避できるものだろうか。
①事故が起きなかった未来。
②事故は起きたが、死者のいない(あるいは少ない)未来。
10分の差によって発生場所が変われば車がぶつかってもバスは崖から落ちなかった可能性は大いにあるし、そうなると被害はかなり少なくなっていただろう。
③逆に、全員死んでいた未来だってある。
ヒマリの引き止めた10分は、ヒカルの遅刻した10分は、③を回避してヒカルだけ生き残らせた10分と考えることもできるのではないか。



・ヒマリヤンデレ妄想
これはかなり自分の好みに寄せた妄想でしかないのだが、ヒマリは子供特有の直感で事故を予知していたのではないか。
ヒカルだけを生き残らせる為に、彼をバスに乗らせないように引き止めたのではないか。
バスそのものを出発させないようにする術はヒマリにはないし、仮にそれができてもしなかっただろう。
ヒマリはヒカルと自分の歳の差を疎んでいて、ヒカルが部活の人たちと仲良くすることに嫉妬していた。
小学6年生であればそんな感情があっても早熟すぎるということはない、はず。

あるいはバス事故後にヤンデレ化。
原因が自分だと思いこんでいたにしろ、毎日お見舞いに行くのは相当な体力、精神力がいると思われる。
家と小学校と病院の距離がどうなのかは想像で補うしかないが、一般的には小学生が気軽に移動できる距離とは思えない。
5年も続けられたそのヒカルへの執着心をヤンデレと言わずに何と言えば良いだろうか。
この設定だけでご飯何杯でもいける〜〜〜ご馳走様です。



・ヒマリは何故演劇部を選んだか
毎日ヒカルのお見舞いに行きながら部活動もしているヒマリの体力凄すぎんか?
そもそも事故で大切な人が眠ったままで、その間接的な原因が演劇部に所属していたことなのに、ヒマリはよく演劇部に入ろうと思ったな〜と。
ここにもヒカルへの執着心(ヤンデレみ)を感じるが、一旦ヤンデレ妄想は置いておいて。
もしヒマリたちがブロック大会まで進んだ時にも事故が起きる可能性があるような気がしてならない。
(亡くなった演劇部の子たちの怨念が事故現場に留まっている可能性も考えられるので、同じ場所で事故る可能性は低くないはず)
そして仮にヒマリたちが全国大会へ行けたとしたら、目を覚ましてそれを知ったヒカルはどう思うか。
救いのない未来しか見えないのに、彼女は何を思って演劇部の道を選んだのか。
私には全く想像が付きませんでした、頭痛い。



・ハピエン? バッド? メリバ?
あの終わり方は幸せなのか不幸なのか。
目覚めることが幸せだとは思わないのは私の死生観の問題で、一般的には生きる選択が良しとされるだろうけど…。
目覚めたヒカルが幸せな人生を歩めるかどうかはヒカル次第すぎて、つらい。
車椅子生活がどれほど過酷なものかは想像しかできないけれど、私なら死んだほうがマシ*1って思ってしまうな。
そして決して楽しい人生ではないことを匂わせるようなラスト曲の陰鬱さがまた……。
不完全燃焼のようなモヤモヤではなく、心にどしんと伸し掛かる重たさを持たせる終わりだったからこそ、観た人の多くがすんなり森から抜けられないという状況になったのだと思う。
何が幸せかは人それぞれだからこそこれはハピエンとは言い切れないし、かといってバッドエンドと言い切れるような絶望でもなかった。
深い。


・分岐したもう一つの終わり方に幸せはあるのか
ヒカルがもしツムギの手を取っていたら、ヒカルたちはブロック大会へ進んでいて、全国大会へも進んで、もしかしたら優勝もして、そこで全てが夢だったんだと明らかになったとしたら……??
それこそ絶望のような気がする。
そして目を覚まさずにいた5年間、ヒカルはどこからどこまでをループしていたのだろうというところに戻る。
私達が見た最初のシーンがループの始まりだとすると、やはり大会に関係する部分だけを延々見ていた可能性が高いと考えられる。
ま、この辺はいくらでも想像を膨らませられる余白なので、こうだ!と決めつける必要はないのかなというところで終着させるしかない。



・ヒカルとヒマリのその後
お幸せに……としか言えないのだけど、二人の関係は簡単に恋愛には発展しないだろうなあ。
事故前のヒカルは恐らく夢子が好きで、ヒマリのことは妹としか見てなかっただろうし。
年齢差のある恋愛がめっちゃ性癖なので私はヒカヒマ激推しなんですが、二人はあまりに不幸を共有しすぎているよ。つらい。美味しい。ありがとう。ムシャア……

*1:死にたい欲求が強すぎて話にならない